ナイチンゲールの功績

医療機関からは白というカラーが連想される。こうしたイメージは医師や看護師が着る白衣からくるものなのだろう。では、白衣は一体いつ頃から医療現場で用いられるようになったのであろうか。その歴史をたどると古代インドにまで遡ることができると言われている。ただし、近代医学において白衣が用いられるようになったのはつい100年ほど前からのこと。近代的な公衆衛生管理の重要性が医療関係者の間で広く認知されるようになってからのことだ。医療関係者が公衆衛生管理の重要性を認識するようになったのはナイチンゲールの功績が大きいとされる。ナイチンゲールはクリミア戦争で衛生管理の悪さから命を落とす兵士を数多く見てきた。この経験から衛生管理の重要性を痛感している。帰国後には公衆衛生管理の啓蒙を続ける傍ら宗教によらない世界初の看護学校を設立。その学校で用いられていた看護着が白衣のモチーフになったと言われている。

昨今の医療現場で白衣を着用することは少なくなってきた。少なくとも手術室に入る医師や看護師が着ることは皆無になったといってよい。これは同じ色を見続けることで生じる「補色残存効果」を和らげるための措置だ。赤い色を見続けると補色の緑色の残像が見えるようになるが、赤の補色である青や緑の手術着を着ると残像が緩和される。こうした背景から昨今では白衣があまり着用されなくなってきたのだ。しかし白衣の重要性やメリットが失われたわけではない。白衣には衛生管理が容易で患者からの信頼感も得やすいといったメリットがある。医療現場においてはこうした制服のカラーにも着目し、その場に最もふさわしい色を選ぶようにしたい。制服のカラーや種類についての詳細はこちらから。